・内向的&人見知りだからこその気づき
突然ですが、私は10代の頃から人付き合いや、人との会話が得意ではありませんでした。むしろ苦手という表現のほうが適切だと思います。そして現在、いい大人になった30代半ばでも得意ではありません。普段の私を知っている友人や知人からすれば、もの静かな私をイメージしづらいくらいよく話すのですが、普段の私は人見知りで、無口です。
かつては、初めていく飲み会やパーティでは、借りてきた猫状態。パーティでは「壁の花」とは言い方が良すぎますが、せっかくの集いを楽しみたいのですが賑やかな雰囲気に馴染めず、かといって自分からはあまり話しかけることはありません。周りの楽しく話している笑顔をいっぱい見ながらモジモジしている自分をとても情けなく思うことを毎回繰り返していました。
どうしてそうなるか、そうなんです。なぜなら私はいわゆる内向的な性格だからです。今どきの言葉でいうと、コミュ障(コミュニケーション障害)とでもいいましょうか。
20代の頃、科学的に信頼性の高い性格分析テストを受けたところ、自分は協調性や共感する能力がとても低いことが結果として診断されました。この性格の特性として、何をするにしても一人での行動を好み、他人に対しては批判的になる傾向があるようです。
その結果を眺めながら、小学校時代に受けたイジメの原因、理由がわかった気がしたのを覚えています。
本をよく読んでいたのでなまじっか知識があるものですから、口は達者なませた子供で、同級生やまわりの大人には批判的な態度。思ったことは口にして相手に言わないと気が済まないので、クラスの人間関係等、いわゆる空気を読まない行動のオンパレードです。当然周りからは疎ましく思われ、教科書を隠されたり、上履きには画鋲、完全な無視等、およそテレビドラマ内で描かれるようなイジメが毎日のように起こりました。
当時はイジメの原因が自分にもあることが分からず、「そのうち飽きてやめるだろう」とか「ひどくなれば先生が助けてくれる」と、普段批判的に見ている他人に期待を抱きながら過ごしていました。
しかし、我慢にも限界がある様で、自分でも詳しくは覚えていないくらいキレて、周りが引いてしまう程のことを起こしてからイジメは沈静化しました。と同時に「他人は決して助けてくれない。自分は自分で助けなければならない」
その発見ができた日が、第2の自分、自我の出発点だと思い起こせます。
「全ての変化は、自らの行動から。行動を起こせば世界が変わる」と確信してから、様々な心理学、行動学等の知識を学び、実践しました。失敗、反省、行動(やり直し)、少しずつ自分を変えていく事をやり続けました。
「人付き合い」についても同じく、「無理して他人に合わせる必要はない」とわかってからは、自分の正確、性質に合った「人脈作り、人間関係の構築」の方法を研究し行ってきました。
・外交的な人が語る「人脈作り術」は内向的な人には役に立たない
前述の知識を学ぶ上で気づいたのが、世によくある「人脈作り」や「人間関係の構築方法」を語る本は、私のような内向的な人間からすればしっくりこない事に気づきました。
それらの本の内容の多くは、人脈づくりや人付き合いの範囲を広げる上で、その人の性格や性質そのものを変える事を勧めてくるからです。
活発で声が大きくハキハキと話すマナー講師や、イケイケドンドンでグイグイたたみ掛けるプロの営業マンが教える人間関係構築の方法論が私に合うとは思えませんでした。外交的な彼らが行う「人脈づくりにおいて上手くいった方法」は内向的な人の心には刺さりません。「それはあなただから上手くいったのでしょう。私には真似ができません」と突っ込みたくなる気持ちでした。
仮に無理をして、外交的人間の人脈作り方法を行ってとしても、自分の価値観に合わない行動は、一時は上手くいっても持続が可能かどうか疑問です。
心理学の研究では、周囲の人間が思っている心の雰囲気を察知する能力は、外交的人間より、内向的人間のほうが高いことが分かっています。
内向的な人間は、外部からの刺激に敏感であり、逆に外交的な人間は鈍感が故になりふり構わない積極性がある傾向があります。
内向的な人間は聞き手に回ることで、コミュニケーション能力が高まり活かせます。内向的な事を活かすテクニックを身につける事で、相手の心の動きを敏感に察し、相手から頼れる存在となり得るのです。
このように、自分は人付き合いやコミュニケーションが苦手と思っている人でも、その人に適したテクニックを身につける事で、人間関係を含めて周りとの関係が円滑になものに変わっていきます。
つまり、内向的人物においての「人脈作りのベースとなる考え方」と「具体的な実践テクニック」を合わせれば、ストレスなくお互いに高め合える関係性を築く事ができるのです。
それでは、人脈作りや関係構築について定説となっている「人脈作りを阻む5つの間違い」を挙げていきながら、それらに反論反証する形で、人脈作りのベースとなる考え方を解説していきます。
まずはあなたが持っている人脈作りや人間関係の構築の先入観から修正し、悪い思い込みを手放していきましょう。